※ 前編・中編からどうぞ。 先日、私は「すごい話を聞いちゃった」というテキストを書いた。街で信号待ちをしているときに偶然耳にした話について書いたものである(未読の方はこちらを読んでね)。 これにはあちこちからかなりの反響があったのだが、そのうちのいくつかのサイトを読みに行って私はため息をついてしまった。銀行名を突き止めようとしたり2ちゃんねるの該当スレを探し出そうとしたりする人がいたからである。 その点に異常な執着を見せる人はいるだろうなとは思っていたが、やっぱりか……。思わずつぶやく。 「そんなもの、調べればわかるようになんて書くわけないじゃない」 その銀行にはべつになんの義理もないけれど、かなり格好の悪い話である。たとえ読み手のうちのごく一部にであっても、その名を公表するようなことになるのは望むところではない。 そして私が「書く」において注意していることのひとつが、これ。こういう場面で