「実はこれ、革命的な売上げを記録した教科書なんです」 “売上げ”という言葉に“革命的な”という形容詞がつく現場に初めて遭遇した。いったい、どれくらい革命的なのか――。 これは教科書なのか? 「恥ずかしい話ですが、以前はシェアが5%くらいしかなかったのですが、この教科書になってから、一気に25%にまで上がりました。5、10%動くことはあっても、20%動くというのは、劇的と言えます」 20ポイントアップは確かに革命的かつ劇的。それにしてもなぜ、そのようなことが起きたのか。ボクは目黒駅近くにある光村図書の本社で考えた。 教科書を追いかけたことで縁ができ、池上彰さん、増田ユリヤさんとの鼎談が実現した様子はすでにお読みいただけただろうか(鼎談第1回はこちら)。あの場でも、美術の教科書は注目の的だった(第4回)。後出しじゃんけんのようになって恐縮だが、でも、ボクも第一教科書の店頭で初めて見たときから美