大学院博士課程修了者の就職確保と研究条件改善に関する質問主意書 ノーベル物理学賞を南部陽一郎氏、小林誠氏、益川敏英氏が受賞、続いて化学賞を下村脩氏が受賞するなど、日本の基礎研究の水準の高さが世界に示された。しかし、これらの成果は一九六〇年から七〇年代の研究が評価されたものである。一方で、現在の基礎研究がおかれている貧困な研究条件のもとで将来もノーベル賞受賞者がうまれるのか疑問の声が各方面からよせられている。研究の主体を担う国立大学は小泉構造改革のもと法人化され、以来、基礎的教育研究費や人件費である運営費交付金が毎年減らされ、また教職員の人件費削減が押しつけられている。そして即成果につながる研究に対して予算が重点的につけられるなかで「基礎研究の将来が危ぶまれる状態」が続いている。また、大学院の博士課程を卒業しても研究職のポストがなく非常勤講師や短期雇用のポストドクター(博士号取得後の任期付