東日本大震災で被災した文化財を保護するため、文化庁は30日、大学研究者や博物館学芸員、自治体職員ら官民の専門家を集めた「文化財等救援委員会」をつくる方針を固めた。いわば文化財のレスキュー隊で、地域の仏像や古文書など未指定文化財をがれきの中から救出して保存する。 専門家に被災地へ赴いてもらい、所有者の立ち会いのもとで文化財を拾い出し、博物館などに一時保管する。対象は持ち運びできる文化財で、地域の博物館や資料館、寺社や個人宅に所蔵されている土器や仏像、農具、古文書、写真など。 救援委員会は阪神大震災で初めてつくられたが、組織の立ち上げに時間がかかり、救出が間に合わず散逸したものも少なくない。兵庫県教育委員会の村上裕道文化財室長は「文化財は地域のアイデンティティーであり、誇り。喪失の痛手は大きい」と話す。 今回の震災で、国宝など国関連の文化財は、建造物中心に416件の被災が判明。自治体指定