日本初の公立近代美術館でモダニズム建築の傑作とされる神奈川県立近代美術館鎌倉館が二〇一五年度に閉館する見通しになった。建築・美術界からは閉館後の建物保存を求める声が上がっている。 (森本智之) 「小さな箱」と呼ばれ白くシンプルな構造が親しまれてきた同館は一九五一年、鶴岡八幡宮の一角に土地を借りて開館した。老朽化が激しいが、国史跡である八幡宮の境内は文化財保護法により原則、大規模な工事はできない。このため県は改修工事を断念し、土地の賃貸契約の切れる再来年度末までの閉館を決めた。 県立近代美術館はほかに二館あり美術館としての機能は残る。ただ、鎌倉館は近代建築としての評価の高さから、保存できるかが現在の焦点になっている。保存にも一定の改修が必要で、やはり文化財保護法がネックになるからだ。