「これからの写真」は、「写真」というメディアを用いた表現を通して、その定義づけの困難さの中から、現在そしてこれからの「写真」の意義や可能性を改めて見定めようとするものである。新井卓、加納俊輔、川内倫子、木村友紀、鈴木崇、鷹野隆大、田代一倫、田村友一郎、畠山直哉ら、9名の写真家・作家が参加していた。 会場に足を踏み入れてまず驚いたのは、畠山直哉と鈴木崇の並びである。畠山の写真は、最近目にする機会の多かった、東日本大震災で甚大な被害を受けた陸前高田を写したものではなく、《Blast》シリーズが選ばれていた。石灰石の採掘現場で、発破により岩石が飛び散るまさにその瞬間を捉えた写真は、震災の前後に関わらず、自然の中、もしくは自然に対峙する人間というテーマをダイナミックに伝える、まさに傑作である。続く鈴木の展示室では、黒を背景に台所用スポンジを組み合わせた各8.5×11センチの小さな写真が、壁三面を覆