日向灘に面する観光名所、宮崎県日南市の鵜戸神宮が、古事記編さん1300年を記念し、来月3、4の両日、古事記にも登場する神宝「潮満珠(しおみつたま)」「潮涸珠(しおふるたま)」を戦後初めて一般公開する。潮の満ち引きを操る玉とされ、本部雅裕宮司(61)は「本殿は過去の津波で大きな被害を受けたことがなく、鵜戸神宮にとって御利益のある大切な玉。ぜひ見に来てほしい」と話す。 「潮満珠」は丸い水晶型、「潮涸珠」は大きさの違う円柱を4段重ねた形で約5〜7センチ。古事記には、初代天皇(神武天皇)の祖父に当たるホオリ(山幸彦)が海の神様ワタツミから授かり、釣り針を巡ってけんかした兄のホデリ(海幸彦)を「潮満珠」でおぼれさせた後、「潮涸珠」で助けてひざまずかせたと書かれている。 鵜戸神宮によると、70年の社務所の火災で記録が焼失し、神宝をいつから保管しているかは不明だが、同神宮の明治9年の「御神宝台帳」に記録
◇運営主体ねじれる「二軒長屋」 劇場法で組織力試される 愛知芸術文化センター2階の吹き抜け空間で27日、モダンダンスやバイオリン演奏、邦楽などのミニステージが繰り広げられた。芸文センター開館20周年を記念し、舞踊家・こかチちかこさんら愛知芸術文化協会の有志メンバー約20人が無償で祝祭感を創出した。10周年、15周年と計上された県予算はゼロだった。 芸文センターはバブル経済の余韻が残る92年10月、名古屋・栄に開館した。客席2500席を誇る県芸術劇場大ホールはオペラやバレエ公演に使用され、パイプオルガンが自慢のコンサートホールとそろって全国屈指の施設だ。今年4月に公益財団法人化された「県文化振興事業団」が開館に合わせて発足し、自主公演の制作を担ってきた。一方、施設の管理運営は県直営でありながら、コンテンポラリーダンスや映像アートなどは、芸文センターの県文化情報センター学芸員が自主事業として企
八幡市立松花堂美術館(石橋和正館長、同市八幡女郎花)は今月20日から開催予定だった開館10周年の記念特別展「松花堂の書の楽しみ」を中止した。府南部豪雨(8月14日)で地下1階展示室に浸水があり、応急措置は済ませたが、文化庁と府教委文化財保護課が「浸水対策に万全を期すことを前提」に、重要文化財を公開する施設として承認可能との所見を出したため。今年度中は展覧会が開けない可能性がある。 特別展は東京国立美術館など15機関から石清水八幡宮の社僧、松花堂昭乗らの書など34点を借り、館蔵品と合わせて43点を展示する予定だった。特別展に関連して11月11日に予定していた愛知文教大の増田孝学長の講演は実施し、1階講習室の貸し出しや土産物店の営業も継続する。【村瀬達男】
平等院鳳凰堂の創建以来、初めて取り外され一般公開される国宝「日想観図」が描かれた扉(右)と復元画=京都府宇治市の平等院ミュージアム鳳翔館で2012年10月4日、竹内紀臣撮影 平等院(京都府宇治市)は5日、平安時代中期の創建(1053年)当初に描かれた鳳凰(ほうおう)堂の扉絵「日想観図」(国宝)のモチーフが、藤原摂関家と関係が深い名勝「布引の滝」(神戸市)の可能性が高いと発表した。剥落が激しいが、近赤外線撮影などで4本の滝が描かれていたことが判明。復元画とともに、6日から境内のミュージアム鳳翔館で創建以来初めて一般公開される。 日想観図は鳳凰堂の四方に14面ある壁扉(へきひ)画(国宝)のうち、本尊阿弥陀如来坐像(あみだにょらいざぞう)の後方(西扉)にあたる左右の2面(1面は縦約2.6メートル、横約1.2メートル)。他の扉絵は1970年代から別の場所で保管しているが、西扉は通用門として使用さ
英国で見つかり「アイルワースのモナリザ」と呼ばれてきた女性の肖像画が、ルネサンスの巨匠レオナルド・ダビンチの作と発表され、世界的な話題となっている。しかし、その根拠とされた専門家の発言が一部で誤解されたことも判明。論議は続きそうだ。 ◇「研究が必要」→「ダビンチ作と鑑定」 「アイルワースのモナリザ」はスイスのチューリヒに本部を置くモナリザ財団が事実上管理。今回の鑑定結果も同財団が先月27日、ジュネーブで発表した。仏ルーブル美術館にあるダビンチの代表作「モナリザ」をデジタル処理で10歳若返らせると「アイルワース」に酷似することなどから「モナリザ」より約10年早い1503年ごろにダビンチが制作した、と結論づけたという。 伊レオナルド・ダビンチ理想博物館のアレッサンドロ・ベッツォージ館長は、第三者的立場の専門家として会見に出席し、ダビンチ作とするには「さらなる科学的、歴史的、芸術的な研究が必要だ
1905年から中断も挟んで現在まで続く由緒ある落語会「落語研究会」(TBSテレビ)の新しい解説者に、京都芸術大准教授の宮信明さん(43)が決まり、20日午前4…
◇作品守り、どこまでも たまの帰省で実家に帰り、両親と近所の方に「先週はトラックに乗って福岡まで10時間、そのあとに熊本まで行ったからヘトヘトで……」。こう話すと、決まって返されるのが「お宅の息子さん、長距離ドライバー?」。いいえ。学芸員です。 博物館の仕事の中には、家族や友人に話すと必ずけげんな顔をされる業務がいくつかあります。その中で、最も意外に思われるのが、作品の搬送です。この役目、博物館業界では一般的に「クーリエ(courier)」と呼ばれています。本来は外交官業務のひとつで、外交文書を運搬する人物を示します。先日起こった首相親書の返送問題で、外務省の警備員と押し問答していた韓国大使館参事官の役目がまさにクーリエだったのです。そこから転じて、主に海外へ作品を運ぶ際、作品に24時間付き添う学芸員のことをこう呼びます。 クーリエの最大の使命は、作品を傷めずに確実に輸送することです。です
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