さまざまなバックグラウンドを持つ人が共存するアメリカでは、採用面接で聞いてはいけないことが多いという。人種や年齢、性別、見た目で採用・不採用を決めるのは「差別」にあたるため、NGワードが多数あるのだ。ニューヨーク在住ジャーナリスト・編集者で、自身もアメリカで採用面接を受けた経験のある安部かすみ氏が、日本人が知らないアメリカの面接事情を伝える。 かつて採用面接で受けた驚きの質問 筆者が大学生だった90年代、日本の政令指定都市にある某企業で受けた採用面接で終盤、年配の男性面接官から唐突にこのような質問を受けた記憶がある。 「父親の勤め先は?」 当時、採用面接自体に慣れていなかった筆者は素直に答えたが、そんな私でも「なぜそんな質問をするのだろう?」と不思議に思った。そもそも父親の仕事は縁故採用でもない限り関係がないはずだ。現代ではこの質問は「面接NGワード」の一つであろう。 気心知れた友人・知人