剣道道歌(詠み人不詳) 立会いは竹刀で打つな手で打つな胴造りして足で打つべし 悪念の起こる所を切り払うこれが宝の剣なりけり 癖が出て弱くなったと知らずして同じ強さと思うはかなさ 手の内のできたる人の取る太刀は心にかなう働きをなす 法定は学ばんほどに道遠し命のあらんかぎりつとめよ(法定は形稽古を指す) 切り結ぶ太刀の下こそ地獄なれ身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ 稽古をば疑うほどにくふうせよ解きたるあとが悟りなりけり 道場に入るべきときは身を正し心の鏡くもりなきよう 年毎に咲くや吉野の桜花木を斬りてみよ花のあるかは * 剣術を使う人ほど馬鹿はなし頭叩かれ礼をいうなり 鹿島新当流・塚原ト伝高幹 卜伝百首より頁主抜粋 武士(もののふ)の名にあふものは弓なれや深くもあふげ高砂の松 武士の魂なれやあづさ弓はる日の影や長閑からまし 武士の射るや弓矢の名に立てて国を治むるためしなりけり 兼ねて知る軍の場(に