「プロ・アマ問わず原稿を募集します」「著者と出版社の共同出資で本を出します」――著者が応分の費用を負担する自費出版・共同出版は近年、出版界で存在感を増している。特に注目を集めているのは最大手で、雑誌創刊など新機軸を打ち出している新風舎。出版に対する考え方を、松崎義行社長(40)に聞いた。(待田晋哉記者) 『童女M』という詩集がこの6月、同社から出た。松崎社長が15歳の時に刊行した第一詩集を、同社のスタッフ有志が復刻したのだという。 〈知っていますか/あなたが駆けだせば/そこにひとつの/風が生まれる/ということを〉。出版当時、松崎社長はすでに「新風舎」を名乗ったというから、まさに会社運営の原点と言ってよい。 「僕は幼いころからずんぐりした体形で、いじめられっ子でした。でも高校1年の時、印刷所に頼んで本を刷り、学校に持って行くとヒーローになりました。自分の本を手にし、尊敬された喜びが、今の仕事