赤字経営が続くあおなみ線(名古屋―金城ふ頭間約15キロ)を運営する第三セクター・名古屋臨海高速鉄道(斎藤圭三社長)は5日、私的整理の一つ「事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)」を使って再建を目指すと発表した。事実上の経営破綻(はたん)だが、営業を続けながら再建を進め、2013年度の黒字化を目指すという。 発表によると、負債総額は460億8300万円。調整役の第三者機関・事業再生実務家協会に対し、6日にADRの適用を申請する。国土交通省によると、鉄道会社の申請は初めてという。 同鉄道は名古屋市が56.5%、愛知県が11.4%出資するほか、民間企業なども参画し、資本金は157億円。再建計画では、資本金を100%減資し、約449億円に上る借入金のうち、市の約267億円と県の約40億円を出資金に切り替え、経営を圧迫していた利払いをなくす。日本政策投資銀行へは約21億円を返済し、残りの約121