イタリア中部の山村が、国の緊縮財政策の一環として小村廃止が取り沙汰されたことに反発、「独立」と「独自通貨導入」を目指す方針を表明した。 国の補助金削減や増税、歳出削減を押しつけられることに反発したもので、ベルルスコーニ政権が進める財政再建論議に一石を投じている。 「イタリアから離脱し、公国になる」。ローマの東約70キロ、フィレティーノ村のルーカ・セッラーリ村長(45)はこう訴えた。山手線の内側より2割ほど広いだけの78平方キロに600人弱が住む。 伊政府は8月中旬、全国の約2000の人口1000人未満の村を統合し、補助金を減らす案を示した。村長は耳を疑い、「小村独自の文化や方言が絶える。認められない」と「独立方針」を表明した。 リゾート地の村は、冬休み中なら5000人超のスキー客らが定宿を取る観光名所。水や森林資源も財源になる。「独立しても財源はある」と計算できた。 村は独立後の君主を探し