厳しい経営環境が続く第三セクター・肥薩おれんじ鉄道(熊本県八代市、古木圭介社長)が車両の検査費を賄おうと、一口1万円から募っていた「車両一口オーナー」に497人、588万4000円が集まったことが分かった。鹿児島県内在住者が4割以上で最も多く、地域鉄道の安全を下支えした。 自動車の車検に当たる車両全般検査は、法令に基づいて8年に一度実施される。1両に付き約1200万円を要し、2010、11年度中に所有する全19両の検査を終えた。 オーナーは、09年4月から12年3月まで募集。車内に名前入りプレートを掲示する特典があった。県内在住者は225人、251万円、熊本県在住者は82人、99万2000円だった。関西・関東、宮崎や福岡の県出身者や鉄道ファンなど両県以外からも、190人、238万2000円が寄せられた。 古木社長は「オーナーが自分の名前が記された車内プレートを見に乗車するケースもあり