限られたリソースでも高性能 任天堂から発売され大ヒットした「ファミリーコンピューター」、通称「ファミコン」は1983年に誕生した家庭用ゲーム機である。2011年の現在ゲーム世代は「プレステ」が一般的だが、私はまさにファミコン世代であり、小さい頃友達の家にカートリッジを持ち寄っては皆で遊んだ楽しい思い出がある。現在は世界中にゲームシェアが存在しているが、ファミコンはその基盤を築いてきたといえる。 この小さなコンピューターには緻密な設計思想があり、また驚くべき発想力でもって性能以上のゲームを生み出していた。本書ではその裏側のスペックからどう逸脱させゲームにしていたかのプログラミング技術が理解できる。プログラミングとはいえイラスト(ドット絵)を用意しての解説なので読み易い。 ファミコンの設計コンセプトは明解で、メモリ資源を絞りつつ実用的ゲームを開発する事だった。その反面、サウンドシステムやグラフ