セキュリティ対策と業務効率や生産性はトレードオフの関係にある。これはまぎれもない事実だ。「だからこそ、双方のバランスが取れるアプローチを模索しよう」――本来ならば、そう受け取られるべき提案だったが、そうはならなかった。 2016年10月20~21日、都内で開催されたセキュリティカンファレンス「CODE BLUE 2016」を締めくくる基調講演「How much security is too much?(セキュリティ対策はどこからが過剰なのか?)」で、カルステン・ノール氏は、セキュリティ業界の人間としてのジレンマを吐露した。 イノベーションを阻害しているのはセキュリティ業界かもしれない、と自問 業務効率や生産性とのバランスが取れたセキュリティ対策を実施すべきだ――。セキュリティ業界の人間はよく、そのように訴える。 だが、現実はそうはなっていない。高度なサイバー攻撃や内部犯行による大型のセキ
![セキュリティを「必要悪」にした犯人は業界自身ではないか? (1/2)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/693ffd1818b571f10e4876c62e33362e942c6ef2/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fascii.jp%2Fimg%2F2016%2F11%2F02%2F1609092%2Fl%2Fa5ad6bd66137064c.jpg%3F20200122)