2000年に雪印が引き起こした食中毒事件。しかし、これは雪印にとって初めての大規模食中毒事件ではありませんでした。 さかのぼること45年。1955年に雪印は大規模な食中毒事件を起こしたことがあったのです。しかし、経営陣によって取られた対応はまるで違ったものでした。 45年前の失敗 1955年、北海道の八雲工場で食中毒の原因菌が発生し、都内の9つの小学校で給食の脱脂粉乳を原因とする集団食中毒が発生しました。被害者となった小学生は実に1900人を超えました。 自社製品から原因菌が検出されたことを指摘されると、佐藤貢社長は即座に販売停止と全量回収を指示します。新聞各紙に謝罪広告を出し、社長自ら原因工場に駆けつけて原因調査にあたりました。 同時に、被害者や取引先、酪農家などへのおわび行脚を社をあげて実施。全工場で再点検を行い、衛生管理部門、検査部門を独立させ、検査網を二重、三重に強化する等の対策を