国内の大学で、原子力の名を冠した学科や専攻が復活しつつある。複数の大学が連携した大学院や研究所も新設される。一時は、ほとんど姿を消した原子力の学科・専攻の復活。背景には、原子力の再評価や技術者不足といった事情があるようだ。 ■温暖化などで再評価 文部科学省原子力計画課によると、「原子」の名が付いた学科は、84年度は東北大、大阪大など10大学にあったが、90年代に入って減少し、02年度には、ついにゼロになった。大学院の専攻でみても、9大学のうち7大学で姿を消した。 それが08年度は、学科があるのが東京都市大(3月まで武蔵工業大、東京都世田谷区)など2大学、大学院の専攻でも5大学と、増加に転じた。 減少した最大の理由は学生の人気の低下だ。その陰には86年に旧ソ連で起きたチェルノブイリ原子力発電所の事故や、95年の高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故など、相次ぐ事故による原子力への「