恐怖の渡礁から夜が明けて。 皆、うなだれてお疲れ気味。 夜明けまで皆各々渡礁時の疲れを癒すかのように、磯に腰を下ろしていた。 夜明けまでしばらく時間があるので、じっとしているに限る。 海は荒れているので、動くと危険である。 この磯にはワシら釣り仲間6名の他に、3名の若者がのった。 暗闇なので、この磯がどのくらいの広さがあるのか定かではないが、9名ものって、本当に大丈夫なんだろうか・・・。そんな考えが頭をよぎる。 手を負傷したMr.シマラー氏は、応急措置で釣り仲間が持ってきていたリバテープ等を巻いて、とりあえず出血はおさまった様子である。 少しだけほっとした・・・。 夜が明けてきて、皆各々準備を始める。 にわ子は渡礁時の恐怖から、まだ動けずにいる。 明るくなって、磯全体の様子がようやくわかりはじめた。 磯自体は大きな独立瀬なので、状態が良い時であれば、9名でも十分に釣りができそうなところだ。