・ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観 キリスト教伝道師兼言語学者としてアマゾン奥地の少数民族ピダハン族の研究に30年を捧げた研究者が書いた衝撃のノンフィクション。著者はピダハン族と暮らすうちに、彼らの文化に魅了され、西洋文明の価値観を疑いはじめる。そして遂には無神論者となって信仰を捨て去ってしまうに至る。私たちとはまったく異なる世界認知のスタイルがあるということを教えられる。 ピダハン族の言語には数を表す言葉がない。色の名前もない。神の概念もない。我々がよく知る現代の西洋とも東洋とも違う認知世界の住人たちだ。ピダハンの生活は直接経験の原則で貫かれている。経験していないことは考えない。遠い昔のことや未来の話は語らない。空想の話もない。だから彼らの文化に口承伝承や神話、そして儀式がない。ピダハンも夜に夢を見るが、それも寝ている間の幻としてではなく現実の経験として扱う。 ピダハンの血