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ブックマーク / active-galactic.hatenablog.com (10)

  • 人工知能:東大入試からシンギュラリティまで - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    メディアや他の方がいくつか報告を上げているが、土曜日に『ロボットは東大に入れるか』の講演を聞きに行ったので気づいたことなどをメモしておこう。 人工知能にとっては、センター数学よりも東大二次数学の方が解きやすいことや、図形や文の構造を理解することがどうしようもなく難しいことなど、AIと人間の違いに関するいくつかの側面を興味深く受け取った。 「人間のように思考する」といった曖昧で高すぎる目標ではなく到達度を客観的に評価しやすい入試問題をターゲットに選んだのはよい着眼点だと思う。もし2021年までに、東大入試クラスの読解力や問題処理能力を獲得したならば、技術文書を要約したり、国会答弁を自動生成したり、様々な産業応用が可能になるだろう。 模試の結果はもっと惨憺たる有り様になると思っていたが、センター試験では 387/900、2次試験は(今回は数学のみだが)合格者平均を超えるなど、予想していたより結

    人工知能:東大入試からシンギュラリティまで - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常
    kazoo_oo
    kazoo_oo 2013/11/27
    「人間が有利な領域がどんどん狭くなっていく過程で、「知的」の定義も人間に都合よく書き換えられていくだろうが、最後に残るものを見届けたい。」
  • ヒッグス粒子をちゃんと理解するにはどのくらい必要? - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    今回のノーベル物理学賞は大方の人に予想されたように、ヒッグス機構、あるいは特に貢献した人の名前をとってBrout-Englert-Higgs機構(以下BEH機構)に関するものだった。そのうちの一人であるBroutは残念ながら2011年に亡くなってしまったが、50年近い歳月を生き延びたEnglertとHiggsの2人が見事栄冠を勝ち取った。 「ものにはなぜ質量があるのか」という問いに対する重要な解答であり、実験的検証とその理論的な柱であるBEH機構は当然ノーベル賞に値する。 受賞自体に学術上の意味は無く、成人式のように予定された社会的通過儀礼だ。受賞したことで理論の精度が高まるわけではないし、2012年の「発見」も人間が決めた基準にすぎない。数日前と今で理論の輝きに変化はないが、それでも一区切りついたようで実に感慨深い。 標準理論:恐るべき理論の怪物 BEH機構は素粒子標準理論の重要な一角を

    ヒッグス粒子をちゃんと理解するにはどのくらい必要? - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常
  • 天体衝突とはどのような災害か - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    図0. 地球に衝突する小惑星の想像図(直径10km) 最近、ロシアの大火球で1000人以上の負傷者が出た。直後に小惑星2012 DA14が地球をニアミスするなど天が慌ただしい。 天体衝突は小さな天体でも巨大な擾乱を引き起こす。生み出された衝撃波の威力に驚いた方も多いだろう(図1)。原子爆弾と同程度のエネルギーが解放されたが、高高度で爆発したため数十キロ圏に薄まった影響で済んでいる。 居住地に落ちることは珍しいが、今回の衝突は20年に1回くらい地球のどこかで起きている。日に限定するなら20000年に1回くらいの事象だろう。*1 図1. 爆風の強度 (上) 響き渡る衝撃波の轟音 (下) 音はないが、物を吹き飛ばして屋内に吹き込む爆風の強さがみてとれる。この風の強さから衝撃波のエネルギーを類推することが出来る。 天体衝突は流れ星から大量絶滅まで幅広いが、ハザードの規模やリスクについて大まかに触

    天体衝突とはどのような災害か - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常
    kazoo_oo
    kazoo_oo 2013/02/16
    「富士山より10倍は高いはごろもフーズ」ベテルギウスのひと本領発揮だなぁ。
  • 温度とは何か:負の絶対温度をめぐる疑問など - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    ひと月ほど前に流れた「負の絶対温度」のニュースに関して、興味をそそった反応をリストアップしておこう。 最初に、「永久機関が実現する!!!」みたいな反応は >/dev/null 2番目に、「負の温度がわからん」と言っている人がいる。ただ、このうち何パーセントが「正の温度」の定義を説明できるだろう。 3番目に、物理クラスターの一部だが、永久機関の実現といった誤解を打ち消すために、「レーザーの反転分布と同じ(笑)」などと、この研究の新奇性や研究グループ自体を過小評価する方々がいる。 この研究グループは、光格子を操ることにかけては世界最強クラスの実績がある。光格子における超流動Mott絶縁体転移や、量子気体顕微鏡による光格子1サイト内の原子観測といった、数々の偉業を達成している。また、多数の理論屋が在籍しており、理論面の基礎でミスを犯す可能性は低いだろう。既存体系を覆すような大発見ではないとはいえ

    温度とは何か:負の絶対温度をめぐる疑問など - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常
    kazoo_oo
    kazoo_oo 2013/02/04
    もはや理解するためというより物理屋さんのメタファーを楽しむために読んでる。
  • 1kgの鉄と1kgの鉄、どちらが重い? - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    同じ質量の綿と鉄はどちらが重いか。 この問題は簡単ではない。どんな質量の綿や鉄を想定するかによって答えは違う。例えば、1000億太陽質量の鉄と綿だったら両者とも即座にブラックホールだ。両者の終状態はほとんど変わらない。ブラックホールは元の天体が持っていた個性をベリベリと引き剥がしてしまう。 では、もっと質量を減らして1億地球質量だったらどうか。 1億地球質量の綿と1億地球質量の鉄、どちらが重い? だいたい恒星質量の上限域に相当する。300太陽質量だ。 綿は自己重力で潰れていき、位置エネルギーの解放によってどんどん温度を上げる。中心部の温度は100万Kを超え水素の核融合が起こる。巨大な赤ちゃん星の誕生だ。莫大なエネルギーが発生し物質が宇宙空間に激しく流出する。ただし、綿は質量の大部分を炭素と酸素が占めており、恒星と白色矮星の中間のような組成だ。わずかな水素を使い果たすまでは延命すると予想はし

    1kgの鉄と1kgの鉄、どちらが重い? - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常
    kazoo_oo
    kazoo_oo 2010/12/14
    コメント欄に群がる馬鹿にどうか疲れないように。。
  • ベテルギウスの最期:超新星の兆候とその威力 - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    最近、オリオン座のベテルギウスに関して"刺激的な"タイトルのニュースが流れた。オリオン座は覚えやすく都会でも楽しめる手軽な星座だ。そのオリオンが肩を壊すかもしれないとなれば書かざるを得ない。 重い星の死 天蓋にぶら下がる星々は永遠の存在ではなく、だいたい数百万年から数兆年の寿命で移ろいゆく。ヒトの死が多様であるように、星の死にもまた個性がある。それは体重や組成、相方の有無などによって決まり、静かに冷たくなることもあれば、木っ端微塵に吹き飛ぶこともある。ベテルギウスのような重い星は、超新星と呼ばれる大爆発によって焼死する。爆発の閃光はひとつの銀河に匹敵するほどであり、ベテルギウスのような至近爆発ともなればどのような状況が生じるのか興味は尽きない。そして、爆発はどのくらい差し迫っているのだろう。 どのような超新星を起こすのか ベテルギウスは水素をたっぷり含んだ赤色超巨星なので、もし今爆発するな

    ベテルギウスの最期:超新星の兆候とその威力 - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常
    kazoo_oo
    kazoo_oo 2010/02/14
    めちゃくちゃ面白い。ベテルギウス爆発しろ!
  • 宇宙戦艦はなぜ白い - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    SFに出て来る純白の宇宙戦艦って、カラフル兵士なみに違和感ある。なんでそんな目立つ色なの?見つけてほしいの?的になりたいの?映像表現と大人の事情だから不問なの?そんな風に突っかかった年頃があったような気がするが、懐かしすぎて何歳のころだったかすら思い出せない。 黒い宇宙船(左)と、白い宇宙船(右):左の輪郭はイメージ。 上の画像(左)では輪郭をつけているが、黒い宇宙船は宇宙空間に完全に溶け込んでしまう。輪郭線を取り払ってしまえばただの何も無い空間だ。 作品空間でのご都合設定ならともかく、現実の延長線上としての軍用システムが迷彩を意識しないとは考えがたい。ただ黒く塗るだけでなく、レーダー波吸収構造から液体ヘリウムによる表面冷却まで、あらゆる手を使って検出を逃れようとしても不思議ではない。 でも、リアルで黒い宇宙船なんて聞かないよね 現実世界で軌道上にある宇宙船や人工衛星はことごとく真っ白だっ

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  • 「ぷよぷよ」で知人が強すぎたとき - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    ながれをぶった切って久しぶりに「ぷよぷよ」の話をする。このゲーム、同じ色のぷよを4つつなげて消すという単純なルールでありながら、クレタ島の地下迷宮のように無限の奥行きがあり、数学的にも甘みがある。 偶然できた4連鎖に驚いたり、普通にみんなで互角にわいわい楽しんだ時期もあった気がするが、しんみりしてしまうのでそれはおこう。今となっては時々思い出したようにオンライン対戦をやる程度で、研究室で話題に出すこともない。もとより実力差とゲーム性の衝突を補正するのが難しい癖のある遊戯だ。一部の人のみにカミングアウトした隠れ趣味となってそれなりの月日が流れた。 人間に溶け込んだ鬼のはなし そんなある日、知り合いが鬼のように強いという噂を聞いた。 最初は「へえ」と、マンションの勧誘に対応するかのようなリアクションになった。これ以上カミングアウト枠を拡大するつもりもなかったし、強いといってもせいぜいで12〜1

    「ぷよぷよ」で知人が強すぎたとき - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常
  • 太陽は資源のかたまり、技術さえあれば - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    以下、気分転換に、適当に思いついたことをメモしただけ、話はまとまっていない 太陽から資源を採掘できるだろうか。 これから数億年後、あらゆる惑星のエネルギー資源が枯渇した超未来を考える。木星すら絞りつくされた状況で最後のエネルギーフロンティアになるのが太陽だ。太陽系の質量はその99.9%が太陽に集中しており、エネルギー生産量に関しては99.9999%をはるかに超える。太陽から放射されるエネルギーは4e26ワットに達しており、100万キロワット級原子炉40京機分になる。それほどのエネルギーを1000億年*1に渡って放出できるだけの水素が埋蔵されている。現在の核技術で扱いうる重水素に限定して5桁落としたとしても、現在の世界一次エネルギー消費にして3000京年はしのげる計算になる。 太陽にストローを刺せないだろうか 太陽の表面温度は高々6000Kしかない。黒点に限って言えば4000Kだ。 やや専門

    太陽は資源のかたまり、技術さえあれば - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常
    kazoo_oo
    kazoo_oo 2008/12/25
    めっちゃ面白い。火星も木星もこのひとにとっては「終わった星」なのかw
  • 素粒子とは何か - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    予定が詰まるとこれだから困る。「今日こそは書こう」「いや、これを終わらせてから」と、ネタがガリレオ温度計のように浮かんでは沈みはや2週間が経過した。*1 「ぷよぷよのしょぼしょぼ対戦動画をあげる。」「ノーベル賞の続き:素粒子って何?」「水星探査機メッセンジャーが世間的に無視されている件」「テトリスでひとり宇宙人いるよね」とオプションはいろいろあるが、とりあえず世間の話題から消えうせた感のあるノーベル賞の続き。 素粒子の大きさと位置づけ 現時点で我々が実験的に確認している限りの範囲で、「素粒子」は私たちの世界を構成する基要素だ。それは力であり、物質であり、その振る舞いは素粒子のもつ基的な対称性によって説明される。 素粒子は限りなく小さい。標準理論では大きさがゼロで構造をもたない点粒子として計算される。また実験上も完全な点とした模型からのズレは確認されていない。ZEUS実験では仮に大きさが

    素粒子とは何か - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常
    kazoo_oo
    kazoo_oo 2008/10/29
    めっちゃおもしろい。このカタカナ群で何杯でもご飯食える。
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