Une vie sans fin 科学の書棚を見ていたら、なにかSFのタイトルのような本が目に入った。 フレデリック・ベグベデ『世界不死計画』である。 本書の「それなりの重要性を持つ但し書き」にはこうある。 「虚構と現実の違いは、虚構はかならず信じるにたるものでなければならない、という点にある」 とマーク・トゥエインは言った。でも現実が信じるに足るものでなくなった場合はどうだろう? 今日、科学は、虚構より、よほど奇想天外だ。これはサイエンス・ノンフィクション作品である。 というわけで本書、作者自身と同姓同名の作者自身と似たような境遇の五十代の男が「永遠に生きること」に奔走する話である。 世界各国でいろいろな医師や研究者に会う。そこでかわされる会話は実際のインタビューそのままだという。 ちなみにこのフランス人の作者は元コピーライターで、コラムニスト、文芸評論家、テレビ司会者、映画監督……など