<パス回しのパターンは4つだけ、「ミスをしたらガッツボーズを」。カンボジア代表の実質的な監督を務める本田圭佑が献身の先に見据える未来とは> プノンペンで本田圭佑(35)と食事をしていると、現地の人がこう話し掛けるのをよく目にする。 「カンボジアを助けてくれて、本当にありがとう」 本田がサッカーカンボジア代表の実質的な監督(正式な肩書はゼネラルマネジャー)に就任したのは2018年8月のこと。FIFA(国際サッカー連盟)が定める指導者ライセンスを持っておらず、現役選手を続けながらの「二足のわらじ」のため当初は疑問視する声が上がった。 だが、本田は結果で批判を跳ね返した。19年にワールドカップ(W杯)2次予選で同国史上初めて勝ち点を挙げ、東南アジア競技大会(東南アジア版の五輪)では初めてベスト4に進出。カンボジアサッカー協会から高く評価され、今年3月、契約を23年まで延長した。 選手からの信頼も