サッカー日本代表の試合で、「課題はFWの得点力不足」という解説を聞いたことはないだろうか。試合中にゴール前でパスを出すFWを見て、「なぜシュートを打たないのか」といら立ちを覚えたファンもいるはずだ。海外サッカーに精通し、このほど小学校のサッカーチームを題材にした小説『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)を上梓した小宮良之氏は「日本と海外では育成年代の環境が違う」と指摘する――。 言い古されているが解決されない問題 「日本人はなぜシュートを打たないのか?」 それは言い古された問題で、もはや飽き飽きするテーマでもあるのだが、いまだ根本的な解決はされていない。 昨シーズン、柏レイソルのブラジル人FWクリスティアーノは123本ものシュートを打っている。日本人では、得点王に輝いた小林悠が121本を打ったが、2位の杉本健勇は90本、3位の興梠慎三は71本。日本人のトップスコアラーは70本台が平均