『街場のアメリカ論』(NTT 出版、2004年)が文春文庫に収録されることになったので、その「あとがき」を書く。 この本は 2004 年に出たけれど、内容はその前年の大学院の演習でのおしゃべりを採録したものである。 あ、その頃は今よりもずいぶん暇だったんだ。 前年の演習の録音を翌年には本にできたんだから・・・(今はとても) ジョージ・ブッシュがアメリカ大統領で、イラク戦争が始まったころのアメリカについての論である。もちろんリーマンショックも起きていないし、バラク・オバマも大統領になっていない。 「ネタが古いね」ということになって、ふつうであれば顧みられないのであるが、ゲラを読んでみたら、「いまでもリーダブル」である。 それは私がシロートであり、かつ門外漢であるので、内容に速報性も「インサイダー情報」もまったくないことが関係している。 ふつう時事問題の専門家は、速報性(みんながまだ知らないこ