「時間はかかったが、痛みを知る人間に戻った土谷被告に会えてうれしい」と語る永岡弘行さん=2月18日、東京都内、延与写す オウム真理教による地下鉄サリン事件などで殺人罪に問われ、7日付の最高裁決定で判決が確定した元幹部・土谷正実死刑囚(46)。2月15日の最高裁判決後、一連の事件の被害者だった一組の夫妻が確定前の土谷被告を拘置所に訪ねた。透明な仕切り板の向こうで何度もおわびを繰り返す被告に、夫妻が伝えたことは――。 「オウム真理教家族の会」の会長で、今も教団信徒を脱会させる活動を続けている永岡弘行さん(72)と、妻の英子さん(63)。弘行さんは地下鉄サリン事件2カ月前の1995年1月、教団から猛毒の化学剤VXで攻撃された。今も半身に痛みが残り、杖が手放せない。 「土谷が会っておわびしたいと言っている。来てもらえないか」。判決の1週間ほど前、土谷被告の支援者から連絡があった。 大学院で