漫画「翔(と)んで埼玉」が30年あまりの時を経てまさかの大ブレーク。代表作「パタリロ!」も舞台化に続き映画化。漫画家・魔夜峰央さんにとって、ここ数年は華やかな出来事の連続だ。早期の食道がんだと告知されたのは、そんなさなかのことだった。 映画化された「翔んで埼玉」の興行収入が30億円を突破し話題を呼んでいた4月上旬、年に1度の内視鏡(胃カメラ)検査を受けた。1カ月後、かかりつけの医師に呼び出された。何か言いにくそうにしている医師の手元には、「初期がん」と書かれたカルテがあった。 「劇場版パタリロ!」の封切りも控え、映画関係のイベントや取材対応に追われて忙しくしてはいたが、「自覚症状は何もなかったんですよ」。 実際、告知の数日前に「私の…