2020年は世界中がコロナに翻弄(ほんろう)された1年だった。感染拡大第3波が続く中、引き続き新型コロナウイルスの感染状況は景気のリスクとなっているが、日本有数のエコノミストである筆者は、先行きの不透明さを認めつつも、景気は21年も緩やかに回復に向かうと予測する。 コロナに塗りつぶされた2020年 2020年は「新型コロナウイルス」に翻弄(ほんろう)された1年だった。内閣府の「景気ウォッチャー調査」では20年1月調査で初めて「新型コロナウイルス」という言葉が登場した。それ以降、コロナ感染拡大の影響が景況感に対し大きな悪材料となっている。 年末の風物詩にも、新型コロナの影響が色濃く現れた。新語・流行語大賞では、ノミネートされた30語の半分がコロナ関連で、大賞は3つの密を避けようという予防策で使われた「3密」に決まった。全国から公募で選ばれる「今年の漢字」も「密」だった。 「今年の漢字」はその