紀元前一千年紀の古代文明から、サウジアラビアやアラブ首長国連邦、イエメンなどアラビア半島の諸国家の現状までを解説する『物語 アラビアの歴史 知られざる3000年の興亡』を刊行した蔀勇造さんにお話を伺いました。 ――本書は、古代から現代までアラビアの歴史を通観するという、スケールの大きなものですが、本書の特長をお教えください。 蔀:そもそもアラビアの通史というのが、国の内外を問わず非常に珍しいのではないかと思います。皆さんがよく目にされるのは「アラブの歴史」と銘打った書で、先イスラーム時代のアラビアについてのおざなりの記述に続いて、イスラームの勃興とアラブ・イスラーム軍の征服活動の経過が詳しく語られ、そこから先は、イラクからシリア、エジプトを経てマグリブやアンダルシアに至るまでの地に成立したアラブ系諸王朝の歴史が、時代を追って解説されるというのが一般的なパターンです。 アラビアについては聖地
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