監督はチームの中で最も結果を求められる立場だ。 チームの成績がはかばかしくないときに選手を交換することは、財政的に大きなリスクがある。不甲斐ない大敗、負けが込めば、最初にすげ替えられるのは監督の首だ。だからこそ、監督には大きな権限が与えられてきた。 選手を気持ち良くプレーさせることに心を砕く監督、あるいは自ら決めた規律を徹底的に守らせる監督――彼らはそれぞれの流儀を守り、勝利を求める。特に結果を残してきた監督は頑なだ。 厳しかった指導者としての現実 元清水エスパルスのトニーニョは、弟のソニー・アンデルソンが所属したFCバルセロナ、オリンピック・リヨンでは監督の理解もあり、練習の見学はもちろん、時に参加することもあった。 ところがアンデルソンがリヨンからスペインのビジャレアルに移ると事情が変わった。 ビジャレアルは、バレンシア州のビジャレアルに本拠地を置く、1923年創設の小さなクラブである