イラク第2の都市モスルの奪還作戦は昨年10月に始まり、今年1月、東部が解放された。朝日新聞記者は12、13両日、イラク軍に同行して市内に入った。 チグリス川東岸に立つ廃虚となったホテルのベランダから、ISが占拠する西部が見渡せる。防弾チョッキの着用を条件に内部に入ることが許された。階段で5階まで上る。兵士から注意を受けた。「川向こうのISに狙撃される恐れがある。ベランダに出るときは、柱に身を隠せ」 西部に向けて砲弾が発射され、川を挟んで1キロほど先に着弾した。イラク軍側は現在、西部市域の7割近くを制圧。IS戦闘員は500人を切ったとされるが、自爆攻撃などで徹底抗戦の構えを崩していない。西部には70万人近くの住民がとどまっているとされ、戦闘の合間を縫って脱出する人の波が絶えない。 《記者はイラク軍当局の許可を得たうえで、モスルに入った。取材には軍当局者が同行したが、取材内容への干渉、検閲は一