【所詮】身近な仏教用語の意味 「努力したら夢は叶うとか言うけれど、所詮、自分には無理なんだ……」 そのような諦めの言葉を自分自身に呟くような瞬間が、哀しいけれども人生にはある。 今はもう肩の力が抜けてしまってそのようなことを思うこともなくなってしまったが、私にだって挫折を味わった経験が何度もあった。 今回ご紹介する仏教用語は、上記の呟きのなかに登場する「所詮」。 「結局」「なんだかんだ言って」「とどのつまり」「畢竟」などなど。 類語はまだ他にもいろいろとあるが、そのような意味で使われている所詮という言葉は、じつは仏教用語なのである。 所詮と能詮 仏教には経典という名の、仏法(教え)を記した書物がいくつもある。 それらの経典には、それぞれ説き示そうとする内容が書かれており、その内容を所詮とよぶのだ。 また、所詮の対をなす言葉として「能詮(のうせん)」という言葉があり、説き示そうとする母体、つ