ビクティムキャッシュの場合、メモリからのデータは2次、3次キャッシュを飛ばして直接1次キャッシュに送られるので、多少、アクセス時間の点で有利である。 なお、前述の伝統的なキャッシュでは、最初にメモリから読み込む時に、2次、3次キャッシュにも格納済みであるので、上位のキャッシュを追い出されるキャッシュラインのデータは、データが書き換えられていなければ下位のキャッシュに書き込む必要はない。一方、ビクティムキャッシュの場合は、上位のキャッシュを追い出された時点で下位のキャッシュに書き込みを行う必要がある。 伝統的なキャッシュでは、1次キャッシュに格納されているデータは2次キャッシュにも存在し、2次キャッシュに格納されているデータは3次キャッシュにも存在するということになる。このようにプロセサコアに近い上位のキャッシュの内容は必ず、下位のキャッシュに含まれるという関係が存在するキャッシュをインクル