経営手腕を見込まれ企業を渡り歩く「プロ経営者」。ヒットが出にくい時代故か、活躍が日本でも目立つようになった。彼らはどのようなアプローチでイノベーションの芽を見つけ、業績向上につなげるのか。赤字転落騒動の渦中にあるRIZAPグループ代表取締役、松本晃氏を直撃した。 経営のプロ。改革の名手。松本晃氏には華々しい称号がついて回る。2009年、ジョンソン&ジョンソンのトップからカルビーの会長兼CEOに就任、明快で合理的な考えの下、老舗企業の改革に大鉈を振るった。「フルグラ」という大きなヒット商品を世に送り出し、業績を急伸させることに成功。その松本氏が18年、カルビーの次の新天地として選んだのは、「結果にコミットするジム」を中核に、矢継ぎ早のM&A(合併・買収)で急拡大中のRIZAPだった。 そのRIZAPが、今岐路に立たされている。19年3月期の決算では最終利益が159億円の予想から70億円の赤字