あらゆるものがデジタル化されてきた今、ITを介したトランザクションのすべてが“ログ”として残るようになっています。大量のログは、明確な視点をもって解析すれば、自ずと“語り出す”のです。第1回で、「時間と空間の軸」で分析すれば、特定の振る舞いをあぶりだせと説明しました。第2回では、「過去ログの証拠力」と「生ログの予測力」の違いに重点をおいた行動分析が重要だと説明しました。今回は、昨今話題の金融犯罪を例に、サイバー攻撃の姿がどう変化しているかを解説します。 ますます身近になってくる金融犯罪 2011年は、多数の金融犯罪が発生した年だといえます。多くの事件がニュースでも大きく取り上げられました。特に、「出し子」という非常に特殊な犯罪専門用語が、NHKのニュースで使われるのを聞いた時には、長年この領域でセキュリティに携わっている私でも“まさか”と耳を疑ったものです。 出し子とは、振り込め詐欺や、犯
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