歳出の仕分け作業で、予算の無駄がかなりそぎ落とされた。無駄を省くことは必要だし、そのために仕分け作業は有効な手段である。また、公開で行われているため透明性も確保できるし、その単純明快なスタンスが庶民的には大変受けているようでもある。官僚バッシングのムードの中で、“大岡裁き”的なパフォーマンスは庶民の留飲を下げさせる効果があるのだろう。 しかし、経済の現状をみれば、こうした作業がマクロ的には大きな景気後退要因になっていることにも留意する必要がある。現在、アメリカ、ヨーロッパ、日本などの先進国では軒並み民需が弱い。雇用情勢、賃金の動向が悪化する中で所得が減少し、消費が極めて弱い。企業収益が悪化する中で、企業はコスト削減に全力をあげ、設備投資も強くない。わずかに財政当局が景気対策を打って、何とか経済を下支えしている状況である。 日米ともにエコ減税・エコポイントで自動車など耐久消費財への補助金