こんにちは、ほぼ日の奥野です。今年の春、美術家の森村泰昌さんから1通のメールをいただきました。そこには「アート・シマツ」というプロジェクトの構想が書かれていました。おおづかみに言うと、それは、当時開催中だった森村さんの大規模個展『ワタシの迷宮劇場』の会場に使われている「膨大な量のカーテン」を「展覧会終了後に、うまく活用できないか」というものでした。 こちらが『ワタシの迷宮劇場』の展示風景。会場は、京都市京セラ美術館。ごらんのように「高さ5メートルのカーテン」によって、会場が迷宮のように仕切られていました。カーテンの総量は、面積にして実に「約2500平方メートル」。製造は、カーテンなどインテリア製品だけでなく、劇場にかかる豪華な緞帳(どんちょう)や着物の帯など優美な美術工芸織物をつくり続けてきた、京都の川島織物セルコンさん。色は特注、ブルーグレーのような色味で、品質の高い遮光性生地で仕立てら