ブックマーク / book.asahi.com (9)

  • 文學界新人賞・市川沙央さん 「なにか職業が欲しかった」ままならぬ体と応募生活20年の果てに 「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」#1|好書好日

    第128回文學界新人賞 受賞作品「ハンチバック」 親が遺したグループホームで裕福に暮らす重度障害者の井沢釈華。Webライター・Buddhaとして風俗体験記を書いては、その収益を恵まれない家庭へ寄付し、Twitterの裏垢では「普通の人間の女のように子どもを宿して中絶するのが私の夢」と吐きだす。ある日、ヘルパーの田中に裏垢を特定された釈華は、1億5500万円で彼との性交によって妊娠する契約を結ぶ――。 療養生活という名の引きこもり 取材は市川さんが両親と暮らす自宅で行われた。お母さんに案内された部屋で、市川さんと目が合った瞬間、その射貫くような眼差しに気圧された。市川さんは筋疾患先天性ミオパチーという難病により、人工呼吸器を使用しているため、発話に大変な体力を使い、リスクもある。そのため取材も、あらかじめメールで回答をもらい、補足のみ、最小限お話いただく形をとった。 目力の強さはそれが市川さ

    文學界新人賞・市川沙央さん 「なにか職業が欲しかった」ままならぬ体と応募生活20年の果てに 「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」#1|好書好日
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    keint 2023/05/28
  • 「憑依と抵抗」 社会主義後に「活性化」した呪術 朝日新聞書評から|好書好日

    「憑依と抵抗」 [著]島村一平 表題の「憑依(ひょうい)と抵抗」は、著者による、“宗教とナショナリズム”のモンゴル的表現である。書は、それらを切り口に、現代モンゴルを多角的に描いている。そこに、大草原の素朴な遊牧民というイメージは見出(みいだ)されない。今日モンゴルは熾烈(しれつ)な競争社会で、遊牧民は人口の1割以下、人口の半数近くが首都に住む。 私は7年前にこの書評欄で、共同研究『現代アジアの宗教 社会主義を経た地域を読む』を取り上げ、モンゴルにおけるシャーマニズムの流行について論じた章が印象的だったと書いた。そこでは、今世紀、鉱山開発などによりモンゴル経済が急成長を遂げ、格差や環境汚染が拡(ひろ)がったが、それと同時にそれまで辺境のマイノリティーのものだったシャーマンが都市部にあらわれ、爆発的に増加したことが書かれていた。書を読み始めて、それが同じ著者のものだったと気づいた。しかし

    「憑依と抵抗」 社会主義後に「活性化」した呪術 朝日新聞書評から|好書好日
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    keint 2022/05/29
  • tofubeatsの知を拡張する愛読書 知らないより知ってたほうが、面白い確率が高い|好書好日

    tofubeatsさん tofubeats(とーふびーつ) 1990年生まれ神戸出身のラッパー/プロデューサー。中学時代から音楽活動を開始し、高校3年生で国内最大のテクノイベント「WIRE」に最年少で出演。代表曲は「朝が来るまで終わる事の無いダンスを」「水星 feat. オノマトペ大臣」など多数。2022年には中村佳穂らが参加した4年ぶりのフルアルバム「REFLECTION」、初の著書『トーフビーツの難聴日記』を発表する。 目標とするECDと小西康陽 ――アルバム「REFLECTION」と同日に出版される『トーフビーツの難聴日記』のゲラを読ませていただきました。tofubeatsさんは2015年にご自身の会社・HIHATT(ハイハット)を立ち上げましたが、創作以外にも、サンプリングのクリアランスや楽曲の権利処理、契約書の内容を弁護士さんに相談したりといろんな実務を並行されているん

    tofubeatsの知を拡張する愛読書 知らないより知ってたほうが、面白い確率が高い|好書好日
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    keint 2022/05/20
  • 沖縄の若者たちはどんな現実を生きているのか? 10年以上の歳月をかけた渾身のフィールドワーク!『ヤンキーと地元』|じんぶん堂

    じんぶん堂TOP 歴史・社会 沖縄の若者たちはどんな現実を生きているのか? 10年以上の歳月をかけた渾身のフィールドワーク!『ヤンキーと地元』 記事:筑摩書房 沖縄の若者たちはどのような現実を生きているのか?(写真:打越正行) 書籍情報はこちら 沖縄の暴走族の集会に通いつめ、30歳で「パシリ」になり調査 沖縄の成人式でド派手なヤンキーファッションや髪形をした新成人たちが大騒ぎをして、ときには逮捕までされる出来事は、テレビの「暇ネタ」程度の扱いで消費されているのがオチで、彼らがどういう出自や背景を持ち、なぜあのような行為に懸命になるのかということについて掘り下げられることはない。メディアでただの「見せ物」扱いでしかなかった彼らと半ば一体化し、ときには共に働きながら調査を続けたのが打越正行である。社会学者である打越は「参与観察」という社会学用語を使うが、沖縄の暴走族の集会に通いつめ、30歳にし

    沖縄の若者たちはどんな現実を生きているのか? 10年以上の歳月をかけた渾身のフィールドワーク!『ヤンキーと地元』|じんぶん堂
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    keint 2022/02/09
  • 福井県立図書館「100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集」インタビュー レファレンスサービスは、なんでも聞いていいんです!|好書好日

    宮川陽子さん福井県立図書館 司書 1998年から福井県立図書館で司書として勤務。現在の担当分類は、建築や機械工学、家政学などを扱う「5類 技術」(日十進分類法)。読書バリアフリーサービスや寄贈図書の管理なども行なっている。同館の「覚え違いタイトル集」の発案者でもある。 福井県立図書館「覚え違いタイトル集」 レファレンスサービスの認知向上のために ――「覚え違いタイトル集」は、どういった経緯で生まれたのですか。 そもそもの始まりは大学時代の後輩が久世番子さんの漫画『暴れん坊屋さん』を勧めてくれたのがきっかけかもしれません。久世さんが書店でバイトをしていたときのことを描いた漫画で、お客さんが覚え違えているタイトルから「これですね」と正しいタイトルのを渡すシーンがあったんですよね。それを見て図書館のカウンターでも似たようなことがあるという話から、エクセル表で覚え違いの事例を集めていくことに

    福井県立図書館「100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集」インタビュー レファレンスサービスは、なんでも聞いていいんです!|好書好日
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    keint 2022/02/08
  • 「急に具合が悪くなる」磯野真穂さんインタビュー 早世の哲学者・宮野真生子さんと全力投球で交わした末期の日々の言葉|好書好日

    文:篠原諄也 写真:斉藤順子 磯野真穂(いその・まほ)国際医療福祉大学大学院准教授 1999年、早稲田大学人間科学部スポーツ科学科卒業。オレゴン州立大学応用人類学研究科修士課程修了後、2010年、早稲田大学文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は文化人類学、医療人類学。著書に『なぜふつうにべられないのか――拒と過文化人類学』(春秋社)、『医療者が語る答えなき世界――「いのちの守り人」の人類学』(ちくま新書)、『ダイエット幻想――やせること、愛されること』(ちくまプリマー新書)などがある。 「急に具合が悪くなる可能性がある」 ――お二人が出会ったきっかけを教えてください。 2018年の9月15日に在野研究者の逆卷しとねさんが福岡で開いている「文芸共和国の会」のシンポジウムに呼ばれたのがきっかけでした。終わってすぐにお客さんとして来ていた宮野さんから「科学研究費(助成事業)の申

    「急に具合が悪くなる」磯野真穂さんインタビュー 早世の哲学者・宮野真生子さんと全力投球で交わした末期の日々の言葉|好書好日
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    keint 2020/02/03
  • 「能力は私有物ではない」の境地 與那覇潤さん「知性は死なない 平成の鬱をこえて」|好書好日

    「まさか、またが書けるようになるとは思わなかった」 かみしめるように数年間の闘病を振り返る。表情は明るい。 東アジアとの関係を軸にした日近現代史が専門で、2007年から地方公立大学に勤務した。11年に刊行した『中国化する日』が評判に。だが、14年春、うつ状態と診断された。一時は「人と話すのも音楽を聴くのも苦痛。も読めず原稿も書けない」状態になった。 17年に執筆を再開できたのは「幸福な偶然」が続いたから。が読めるようになって通った図書館で、「、読んでいます」と励まされた。「そうだ、を何冊も書いていたんだと思い出した」。デイケアでは病気の経緯を話したり、文章にしたりする機会があった。米大統領選でトランプ氏が当選すると、「日だけが駄目なんじゃないと妙に元気が出た」という。 『中国化する日』は、優勝劣敗の自由競争をいとわず、政治は強い指導者に一任するといった形で日社会の「中国

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    keint 2019/06/23
  • 「施設とは何か」「学校ハラスメント」 「無力化」が生まれる場所で問う 朝日新聞書評から|好書好日

    「施設」とは単なる物理的な構造物ではない。施設での暮らしを経験した障害のある人たちとその家族、そこで働く人、支援者の語りから、施設という場で生成される関係の多様性を探る。… 巨大組み体操、体罰、スクール・セクハラ、ブラック部活動、教師への暴力、いじめ件数の格差…。学校の日常に封印された「ハラスメント」の数々に、気鋭の教育社会学者が切り込む。『… 施設とは何か ライフストーリーから読み解く障害とケア [著]麦倉泰子/学校ハラスメント 暴力・セクハラ・部活動―なぜ教育は「行き過ぎる」か [著]内田良 「施設」とは何か。麦倉泰子が丹念に綴るのは、障害をもつ人たちとその家族、そこで働く人たちによって、「施設に入る/施設で暮らす/施設を出る」ことがどのように語られるか、自らのアイデンティティや人間関係など「人生そのもの」にとって「施設」がどのような意味を持っているか、ということである。 子どもが障害

    「施設とは何か」「学校ハラスメント」 「無力化」が生まれる場所で問う 朝日新聞書評から|好書好日
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    keint 2019/04/29
  • 朝日新聞「平成の30冊」を発表 1位「1Q84」 2位「わたしを離さないで」 3位「告白」|好書好日

    1位 『1Q84』(村上春樹、新潮社、2009年) 『1Q84』はBOOK1・2が平成21年、翌年BOOK3が刊行された。夜空に二つの月が浮かぶ「1Q84年」の世界で、10歳で離ればなれになった青豆と天吾が再会するまでの物語。カルト教団も描かれたことで、高い注目を集めた。毎日出版文化賞。21年の年間ベストセラー第1位(日販調べ)で、単行・文庫の累計部数は約860万部。 京都大教授の中西寛さんは「平成時代において最も注目を集めた文芸作品。野茂英雄が野球の世界で行ったように、日語文学の世界性を意識させた」と解説する。コラムニストの堀井憲一郎さんは「平成時代は『村上春樹の時代』でもあった。この書籍に対する期待度と売れ具合は尋常ではなかった。日常生活でふつうの人が小説を話題にできた最後の作品だったかもしれない」と評価した。文筆家の青木奈緒さんも「平成の日の世相を描いた、平成を代表する小説」と

    朝日新聞「平成の30冊」を発表 1位「1Q84」 2位「わたしを離さないで」 3位「告白」|好書好日
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    keint 2019/03/07
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