仕事人間の俺にとって休日は家で一日中だらける時間だった。 10時頃まで寝て、起きたら冷蔵庫から卵を取り出して卵ご飯を食べる。その後、ソファーに寝ながらテレビを見るか、ベッドに戻って昼まで寝る。起きたら近所のラーメン屋でラーメンを食べて、家に帰ったら夕方まで寝る。夕方になったら手間のかかる少し凝った料理を作って一人で食べながらテレビを見て、眠たくなったら寝る。そんな寝てばっかりのつまらない休日を過ごしていた俺がここ最近、休日を楽しんでいる。行きつけの店ができたのだ。それも飲み屋でなく、マッサージ店。 そのマッサージ店は駅から徒歩で数分歩いた場所にあるさびれたビルの四階にある。外から店の様子を伺える開放感のあるガラスドアを開けると、そこには落ち着いた青色の壁とアンティーク調の装飾でまとめられた非日常的な空間が広がっている。 「いらっしゃいませ!」 オーナーの池田さんが元気よく挨拶してくれた。