部屋の中にいても風が強まってきたのがわかった。 横殴りの雨が窓ガラスに叩きつけられて断続的に降っている。 不規則なリズムで奏でられるバラバラバラという音が記憶を呼び覚ます。 スポンサーリンク あの日僕たちは何も無くなった部屋で肩を寄せあい頭をくっつけながら激しい雨音を聴いていた。 今日みたいに台風が関東に接近している夜だった。 彼女がショートホープに火をつけて吸うと外の雨音とは対照的な煙草の葉が燃えるかすかな音が耳元で聞こえる。 数年間の同棲生活が終わろうとしていた。 僕も彼女もいつかはこんな日が来るのをわかっていたのにどちらも現実に気がつかないふりをして見ないように見ないように抵抗してきたはずだった。 家を飛び出してふたりで始めた生活だったけど結局僕は過去を捨てきれず彼女は未来を諦めることができなかった。 せめて僕にもっとお金があればこんな結末をむかえずに済んだのかもしれない。 ねえやっ
![[ま]台風の夜に @kun_maa - [ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/dda2da7a5775f00ba1f3e438ae690dde4bf4b9d7/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2Fk%2Fkun-maa%2F20180808%2F20180808185902.jpg)