ウスビ・サコ京都精華大学長(写真=大学提供)この記事の写真をすべて見る アフリカ・マリ共和国出身のウスビ・サコ京都精華大学学長は、日本人が「学校教育に期待しすぎている」ことに疑問を呈す。「学校で子どもの個性はそれほど育たない」「子どもはだらだらした時間を使うことが大事」と訴える、その真意とは――。発売中の書籍『アフリカ出身 サコ学長、日本を語る』(朝日新聞出版)から、一部を抜粋して紹介する。 * * * 日本で長年生活しているが、どうしても理解できないこと、ヘンだなと思うことがいくつかある。厳しい言い方になるかもしれないけれど、感じた通りに伝えてみたい。 まず、学校というものに対する日本の人々の過剰な期待感に、私はビックリしている。なんだかわからないけれど、とにかく日本人は学校が大好きなのだなと思っている。 本来は、家や地域でやるべき教育があり、役割分担がある。けれど、その多くが学校に