豊かな環境のなか、「自調自考」を核に据えて独自の教育を行う、都内男子校「御三家」の一つ、武蔵高等学校中学校。ますます先行き不透明となっていくこの不確実な時代に、子供たちにとって必要な経験とは何なのか。受験一辺倒でなく、20年後30年後の人間をつくる教育の神髄。 *** 佐藤 杉山先生が私立武蔵高等学校中学校の校長になられて、1年が経ちました。 杉山 ええ。昨年、43年ぶりに母校に戻りました。 佐藤 その前の埼玉県立浦和高校の校長時代に、私は先生とご縁をいただき、私の母校でもある同校で講演や授業を持たせていただきました。そして武蔵でも特別授業をさせていただきましたね。 杉山 その節は、たいへんありがとうございました。 佐藤 2年目に入って、いま学校はコロナで大混乱だと思いますが、どのような状況でしょうか。 杉山 3月2日から休校しています。卒業式は行いましたが、入学式も始業式もできませんでし