マイクロサービスの活用はネット企業が中心だったが、今や一般企業にも広まりつつある。その原動力は、システムを俊敏に変更したい、保守性を高めたいというニーズの高まりだ。ふくおかフィナンシャルグループ傘下の「みんなの銀行」の事例でメリットを見よう。 「競合のフィンテック企業はクラウドに素早くシステムを構築し、プロダクトを磨き上げる。同じ土俵のクラウドに乗り、アジャイル(俊敏)に改善していく」。スマートフォン専業銀行、みんなの銀行の宮本昌明執行役員CIO(最高情報責任者)はGoogle Cloud上に一から構築した勘定系を含む銀行システムのコンセプトをこう話す。 システムの俊敏な変更を可能にするために選んだのが「マイクロサービスアーキテクチャー」だ。比較的小さなサービスをAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)経由などで疎結合に連携させて、一連の処理を実現する。従来に比べてサー