モバイル通信は今や4G時代を迎えている。世界ではデジタルモデム変調方式がCDMAからOFDMに替わるLTEを4Gと位置付けているが、NTTドコモはLTEを未だに3.9Gとして、1Gbps以上を4Gと定義している。もう10年近く前の定義を未だに使っていることになる。 NTTドコモは10Gbpsを超えるようなモバイル通信を5G(第5世代)と定義しており、アルカテル-ルーセントやエリクソン、富士通、NEC、ノキア、サムスン等6社と個別に実験していくことをこの5月に発表している。つまり単なるデータレートの速さだけで3G、4G、5Gとしているのである。 5Gはデータレートの速さを追求することだけでよいのだろうか?この状況は、かつての第5世代コンピュータと称して、官民挙げて取り組んで失敗に終わった国家プロジェクトを思い出す。 2年前、携帯通信用半導体のトップメーカーであるクアルコム(Qualcomm)