種目別の平均台の練習中、遠くを見つめる米国のシモーン・バイルス選手=有明体操競技場で2021年8月3日、宮間俊樹撮影 近代オリンピックは1984年のロサンゼルス五輪から商業主義が急速に推し進められたと言われます。近年は政治的思惑に経済的利権も絡みあう一大国家事業ともなっており、行き過ぎた商業主義はたびたび批判の的にもなってきました。 今回の東京五輪でも、パンデミックの中での開催に日本国民の多くが疑問の声を上げる中、国際オリンピック委員会(IOC)はNBCユニバーサル(米放送大手)から支払われる巨額の放映権料などの収益を優先したと指摘されています。 私が暮らすロサンゼルスから見ても、コロナ禍が「商業化された五輪」のゆがみを際立たせる結果になったと感じています。 開会式の米視聴者数 過去33年で最低 実際に米国でも「ワクチン普及率が低い日本での五輪開催は危険すぎる」などと否定的な声が多くありま