(2010年1月12日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 『クマのプーさん』には、主人公のクマがパンをはちみつと一緒に食べたいか、コンデンスミルクと一緒に食べたいか聞かれる大事な場面がある。クマは「両方」と答える。大いに愛される児童文学のキャラクターであれば、この手のわがままもすんなり許される。 だが、世界の大国がこのような子供っぽい振る舞いを始めたら問題である。 すべてを欲しがり、債務を積み上げる米国 米国人に何を求めているのか――減税か、もっと気前のいい社会支出か、それとも世界一贅沢な軍事装備か――尋ねると、彼らは概ね、「全部」と答える。 その結果、米国は債務を積み上げることになった。巨大な金融危機に対する短期的な対策を考えると、GDP(国内総生産)比12%程度の財政赤字は理解できる。 米国人が心配すべきことは、公的給付が今後確実に急増していく中で、同国には中期的に財政赤字を管理可能な