子どもたちと「独裁者ゲーム」我々が十代になる直前は、どうも人間の成長過程で利他的な行動や公平さ、仲間意識という性質を獲得する時期のようです。たとえば、この時期の子供たちの行動を調べた研究(*1、スイス、チューリッヒ大学の研究者らによる論文)によると、他者へ配慮する利他的な行動をみせ始めるのは3歳〜8歳の間です。 それまで利己的に行動していた子どもが、みんなと遊ぶうちに不平等を避け、おもちゃなどを分配する利他的な行動を覚えていく。また、自分に不利な行動でコストがかかるようになると、友だちなど自分とより近い関係の子どもへ優先的に利他的な行動をするようになります。 就学前の子どもたちのグループに「独裁者ゲーム(dictator game)」をさせた実験(*2、イスラエル、バル=イラン大学の研究者らによる論文)では、男の子のグループのほうが別のグループに対して偏りのある分配をする傾向が強かった、と