まず、2枚の写真を見てください。上が東京駅前の丸ビル、下が昭和通りで、ともに戦前のものです。 一見して思うのが、「なんてがらんどうなんだ!」ってことでしょう? そう、昭和30年代以降にモータリゼーションの波が押し寄せる前は、日本に車なんてほとんどなかったんです。今ではまったく信じられませんね。 昭和27年(1952年)、田中角栄が「道路法」を議員立法します。その第1条には 《この法律は、道路網の整備を図るため、道路に関して、路線の指定及び認定、管理、構造、保全、費用の負担区分等に関する事項を定め、もつて交通の発達に寄与し、公共の福祉を増進する ことを目的とする》 とあります。当時、年間の道路整備費は約200億円、それが昭和47年(1972年)ごろでは約2兆円。単純計算でいえば、20年間で100倍になったわけです。 それから30年後の2002年、ようやく日本道路公団の民営化が論議されましたが