教育評論家の尾木直樹さん。中学・高校で22年間にわたって教師を務めたあと、大学の教員としても学生たちと向き合ってきました。40年以上におよぶ教育現場での経験から、「平成は子どもたちにとって不幸な時代だった」と指摘します。その理由は?次の時代に必要なことはなんなのか?話を聞きました。(聞き手:ネットワーク報道部記者 管野彰彦) ――平成という時代をひとことで表すと、どのような時代でしたか? ひと言で言うと「子ども受難の時代」だと思います。 ――その理由はなんでしょうか? この30年振り返ってみると、子どもの不登校の問題、いじめの問題、教師からの体罰とか指導死と言われる問題。虐待の問題、それから貧困の問題、経済格差と学力との格差がまったく固定してしまった問題。 今言った問題が、データ的にはどんどん増えてきている。あるいはデータの変化はあまりないにしても悪質化している。子どもの分母が減っている中