2030 未来をつくろう 紛争が続くシリアから大量の難民を受け入れている隣国ヨルダンで、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が難民の目の虹彩(こうさい)の登録を進めている。難民キャンプではなく、街中に入り込んだ人々に生活費をどう確実に届けるか。この新技術に期待がかかる。 トマトや鶏肉、ヨーグルトをかごに入れて会計に向かうと、シリア出身のディカさん(27)は財布も出さず、レジに備え付けられたカメラをまっすぐ見つめた。カシャッ。撮影音の後、数秒でレシートが出て会計はおしまい。「ちょっと並ぶけど、手ぶらで買い物ができて便利だよ」 アンマンから車で2時間ほどの砂漠にあるアズラック難民キャンプ。シリアから逃れた約4万人の難民が利用するキャンプ内のスーパーでは4月から、身分証明書(ID)代わりに虹彩を認証し、食品が買えるようになった。 キャンプの居住者が使えるのは、国連世界食糧計画(WFP)が毎月支