被害者が声をあげはじめ、世の中が認識したことで問題が解決に向かう。それ自体は歓迎すべきことだが、代わりに別の存在がターゲットに浮上してしまうことがある。競技に取り組むアスリートをわいせつに見えるように歪めて撮影し、ネットで頒布している勢力が存在していると注目を集め、社会問題となった。その結果、卑劣な行為に手を染めた者たちは積極的に検挙、罰せられるようになったが、代わりに別の懸念が浮上している。ライターの森鷹久氏が、より弱い者がターゲットにされつつある危険についてレポートする。 * * * 赤外線カメラを使い、女性アスリートらの衣服が透けたように見える状態の盗撮動画をネットで販売し、名誉を毀損した疑いで、千葉県警は会社員の男を逮捕した。 筆者は2020年の10月、盗撮被害に悩む女性アスリートや業界、そして実際に盗撮を繰り返していたと見られる人物へ取材し記事化した。それから一年以上経ったいま、
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